あかとくろの間
月が水面にうつっていた。

その光っている所にいるはずの

輝が隣にいる。

それだけで胸が苦しい。

「どっちかが離れたいって言うんならさ、
 ちゃんと2人で話し合おう??
 急に離れられたら俺、怒って意地でも
 傍離れないかもよ??」

「…あたしだって傍にいたい…」
「言ってることぐちゃぐちゃ。」
「でも、輝が思ってるほど綺麗な人間じゃない」
「そもそも綺麗な人間って何?」


…綺麗な人間??
 ──なんなんだろうね…


「人間は人間じゃねぇの??もし、あるんだったら
 綺麗か綺麗じゃないかは傍にいたいって
 思う人間が感じることじゃね??」

「んじゃあたしが綺麗だと思うの??」

「うん。初めて会ったとき綺麗だな~
 て思ったけど」


それは…外見的な話???

んじゃあたしは輝を騙し続けてきた。


「しかも、強いし」
「あたしは…ッ!!…弱いよ」

「つえ-よ。俺のことあのオッサンから
 守ってくれたもんな。 
 俺情けないけど、嬉しかった」


嬉しかった??
あたしはただ、輝が傷ついたら
って恐がってただけ…。


喜びなのか 悲しみなのか 

わからないけどただただ

胸がはち切れそう




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