あかとくろの間
その日の仕事はなぜか

集中できなくって…。

「今日の千夏ちゃん元気ない」

と常連さんが言ってきた。


「…そんなことないですよぉ」


と少し甘えてまた行為を始めた。


いい加減、あたし救済されないの??

こんなとこさっさと止める機会が欲しい。


帰ってきてすぐ風呂浴びてまた昼近くまで寝る。

こんな生活いい加減飽きるっつ-の。

そしてまた朝と夜の間が来る。

「…ぷぷッやっぱりいた」
「いちゃ悪いわけ????」
「全然。むしろ期待してた~♪」
「何が」
「会えること」

淡々とした会話。

客とするどんな長ったらしい

愛の言葉より100倍好きだな。

長い長い沈黙から逃げたのは
あたしのほうだった。

「…ねぇ、1つだけお願いあるんだ」
「ん。何??」
「…名前、教えてくれる???」

彼は微笑んではっきりとこう言った。


「輝。い-名前だろぉっ」


自分の名前を自慢すると、あたしはどうも

この空気には合ってないと悟った。


「そっちは??教えてよ」
「有明」
「それは苗字って言うんだよ??
 俺きいてんの、な・ま・え!!」


…くっそ。ムカツク。


「千波」


とたったそれだけ言うと
この場から去った。





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