あかとくろの間
「俺も一個いい??」
「…」
「今日はどっか行かないの?」
「まだ、何も言ってないんだけど」
「…そか。ごめんごめん」


また可愛く舌を出した。


「行かなくても、いい」
「そっかぁ、んじゃ今日はゆっくり喋れる♪」


純粋な心であたしに接してるのが分かった。



      胸は急に苦しくなった。



「やっぱ用事あったわ」
「あぁっ?!なんでっ」
「思い出したの。じゃね」
「絶対うそ!!!」
「……は??」
「図星だ~」


急に恥ずかしくなって立ち上がった。


暖かいものが、あたしをつかんだ。


「どこに行くわけ?」
「っ///はなしてっ」


「…優しくしないで…」


彼に背中を向けたままいうと

彼は何もいわずにあたしに優しくした。


家に戻るとひんやりしてて

あたしを現実に引き戻す。


「あたしは…あたしは…」


大丈夫だもん。

一人でだって生きていける。
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