香りから始まる恋はいかがですか?

あの女は、朝から
一体、なにやってんだ?

と思ってると

後ろから肩を叩かれ
目線を移すと

同期の
安藤 健太【あんどう けんた】が

「おはよう」
と声をかけてきて
話をつづけた。

「お前にしちゃ、遅くねーか?」

「おう、寝坊した」

「珍しいな!
早く優しく起こしてくれる嫁さん、
みつけろよ」

「先に結婚したからって、
何を偉そうに!
俺、そんなに焦ってねーもん」

「ほぉー。
モテ男は言うことが違うな」

「モテても嬉かねーよ。

俺は自分が
すっごい好きになんねーと
結婚とか、一緒の空間にいるとか・・
絶対に無理!

この歳になって
ようやく気がついたんだよ」

「ほぉークールに見えて
胸のうちには結構
熱いものを秘めてるだな、お前」

「あぁ、わりぃか?」

「いんじゃないか?
考え方が変わったんだな。見直した!」

なんて話してるうちに
会社に到着していた。


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