香りから始まる恋はいかがですか?

智史さんと一緒に家を出て、
駅に向かう途中、

彼は
「今日、夏は1日何をするんだ?」
というので

「家のこと・・・
するくらいでしょうか?」
というと

「俺・・・
我儘、言っていいか?」

「?なんですか?」

「昼過ぎでも、
夕方でもいいから
また俺の家にいてくれない?

家の中の何を触っても
構わないから、

夏に家のいてほしい・・・
夕飯、一緒に食べよう?」

「良いですよ!
あっ・・・良かったら、
わたし、何か夕飯、作ります。」

「ホントに!?食費とか
かかったら、言って?」

「あはは!そんなの気にしなくて、
大丈夫ですって。何かリクエスト
あったら、教えて下さいね」

「うわー!ホントに?いいのか?
考えておく。

あっ・・・あとさ、泊まるときに
必要な物とか、ウチに持ってきて
置いておけよ?さすがに俺のじゃ、
おっきすぎたよな」

と笑っていました。

「えへへ。そうでしたね、
なにか置かせておいてもらいます」

と言い、

「じゃあ、鍵渡しとく、
今夜、合鍵渡すから
それ使って、家にいてほしい。
じゃあ、また今夜!」と彼は言い

わたしたちは
反対方向の電車に乗りました。
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