香りから始まる恋はいかがですか?

「そこまで言って焦らすなよー」

「焦らしてない」

「なんで、なっちゃん、
お前んちに泊まったんだ?」

「あぁ・・・夏さ、
居酒屋で大泣きして。

そんな顔で
電車に乗ってほしくなくて。

俺も酒はいってて、
車で送ってけなくてよ」

「えっ?お前、
なっちゃん、泣かしちゃったの?」

「あぁ・・・泣かした・・かな。

でもあんだけ泣かれたら、
俺も泣きたくなったぞ?」

「えっ!?
おまっ、お前・・・泣くの?」

「泣きそうになっただけだ」

「それって・・・本物だな」

「あぁ・・・
さっちゃんに言われたことを
思い出して俺も自覚した」

「そうか・・
とにかくおめでとう!
今度、なっちゃん、紹介してな」

ということになり
安藤夫妻に夏を紹介することを
約束させられた。
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