香りから始まる恋はいかがですか?
スケジュール帳を
書き写した夏は、
身支度を整えて、
「では、昨日から
長居しちゃいましたね!
明日は、
わたしも仕事ですから、
そろそろ帰りますね」といい、
玄関に向かおうとする。
そんな彼女を俺は引き留め
「あっ、あの・・夏!」
彼女はきょとんとして
振り返り、俺を見上げた。
「はい!」
良い返事をする彼女。
これ、堪りませんよ、
ホント可愛いんだから。
「えっと・・
今日って、帰らなきゃだめか?」
「えっ?誰がです?」
「夏が」
「あっ、はい・・・
一応、明日、仕事ですし、
智史さんもお仕事では?」
「仕事って、
こっから行けないのか?」
「えっ?
あぁ、行けないことは、
ないですけど、なぜです?」
「あっ、だったら・・
えっと・・その・・さぁ」
「ん?はい・・?」