香りから始まる恋はいかがですか?
わたしは少しの間、
智史さんの
温もりと香りを感じ
ゆっくり体を離しました。
そして
両手で彼の頬を包み込み
「智史さん、わたし・・」
と言うと
彼はわたしの仕草を
受け入れてくれて、
「ん?なに?」と
不思議そうにするので
「わたし、
あなたが好きです」
という言葉と共に
彼の唇へと口づけを
しました。
すると「カツン」と
わたしの前歯が彼の前歯に
当たってしまい
思わず両手で口を塞ぎ
「ごっ、ごめんなさい!
うまく
できなかったですよね?
歯、痛かったですか?」
と聞くと、
彼は放心状態のままで
ようやく首を横に振り
「えっ、あっ・・え?」
と単語にならない言葉を発し
顔を真っ赤にしていました。
あれ?わたし、初めての告白、
失敗しちゃったんでしょうか?