香りから始まる恋はいかがですか?
すると男性は
「なんのことだ?
お前、今朝も、
電車の中で俺の背中付近で
鼻をヒクヒクさせてだろ?
だから、犬か?と聞いたんだ」
と言われ・・
正直に白状しました。
もちろん
過去の男性の香りのことなんて
端折って話しましたよ?
そこまで正直に答える
必要なんてないですよね?
「はい・・えっと・・
申し遅れました、
わたし、犬じゃないです、
それとその・・・勝手に
香りを探し当てておりました。
申し訳ございません」
と思い切り頭を下げると
男性は一瞬、すこし考え、
なぜか突然、表情を崩し、
少し笑いだし、
「わっ!お前、
もしかして・・・
ちょっと変なやつ?
それなんの趣味!?
で?
俺は、なんの匂いがしたんだ?」
と言われましたので、
「ごめんなさい!変な奴です!
香りは・・・タバコと
香水のサムライのコラボかと・・」
と答えると、
「すげーな。当たり!
タバコ吸うし、
サムライは好きで付けてる。
ホントにお前、犬の臭覚か?」
と言われ
「いえ、そうではありません」
と答えると
次の電車が、
ホームに入ってきたので
「では、大変、失礼なことして
申し訳ありませんでした」
と頭を下げて
慌てて再び電車に乗りました。