香りから始まる恋はいかがですか?
・
俺たちは
陽当りの良いリビングに
通されると、
キッチンの方から
「はじめまして」と
にこやかに迎えてくれた女性。
声の主を見ると、
夏とは違い、
スラっと背が高く
俺より歳下だというが
どこか落ち着いた感じの女性で
目元は夏とよく似ている。
その女性が夏のお姉さんだと
即座に認識し、
「はじめまして、
夏さんとお付き合いさせて
いただいております、
木村智史と申します」
と、
緊張しっぱなしのまま
挨拶をすると
「そんなにかしこまらないで。
わたしのが歳下なんですよね?
わたし、夏の姉で
近藤 舞【こんどうまい】です。
さっ、座って座って!」と
ダイニングテーブルに
促された。