香りから始まる恋はいかがですか?
と思いながら、
夏に助けを求めようと
視線を移すと彼女は
まめを抱っこしたまま
なぜか
必死に笑いを堪えている。
おいおい!お前は、
どうしてこの状況で
笑ってられるんだ!?
あんな顔で
反対されてるんだぞ?と
俺が1人で慌てていると
お姉さんがすかさず、
「ほら!もうやめなさい!
木村さん、困ってるじゃない!」
と救いの手を差し伸べてくれた。
するとお兄さんは、
先ほどとは一変、
表情を柔らかくして
「あはは!ウソウソ!
俺が反対したところで、
どうにもならないでしょ?
まぁモテてきたことは
間違いないと思うけどねー
なんとなく父親の役割を
やってみたかっただけ!」
と。
うわー!
一気に体の力が抜けた。
「だと思った!圭ちゃんも
反対しないと思ったもん!」
と夏は、ケラケラ笑い出した。
するとお兄さんは
「なっちゃんのことは
子どもの頃から知ってるからね。
可愛い妹が、
旅立つのかと思ったらさー」
というので