香りから始まる恋はいかがですか?
「あっ・・・今日、
一つ気になったことがあります」
「なぁに?」
「彼女の口調、いつも
あんな感じですか?」
「そうよ。普通よね?」
「僕に対しては違うんです。
常に丁寧な口調で、それが
崩れることがなくて」
「そうなのね・・
そこで均整を
保とうとしてるのかしら」
「かもしれません」
と話をしていると、
風呂場の方から
ブローされて
ふっさふさしたまめが
走って俺の足元にきた。
「おい!
そこのお前、助けてくれ!」
と言わんばかりに、
ころっと転がりお腹を見せたので
撫でると気持ち良さそうにする。
すると後ろから
夏が追いかけてきて
「もぉ!まめ、逃げたなぁ!」と。
すっかり避難したまめは、
夏を知らん顔してる。
犬の表情が
ここまでわかるとは
おもしろなぁと思った。