香りから始まる恋はいかがですか?
すると彼女の目から
ポロポロと涙が
こぼれてきたので
俺は、
それを両手で一滴一滴
掬い上げ拭っていった。
しばらく
彼女の涙は止まらず
そうしていると
ようやく
彼女は鼻を啜りながら
俺に訴えてきた。
「じゃあ・・さっ・・
グスッ・・じゃあ・・・さっ。
わたし、どう・・っ、
どうすれば、良かったの?
お父さんも・・ポポも・・
いままで・・さっ、
好きになった・・人も
みんな・・みんな・・
わたしの前から・・
いなくなっちゃった・・んだよ?
グスッ・・ふっ・・
こわっ、
こわいんだ・・もん。
智史さんの・・ことも、
好きになりすぎたら・・
いなくなちゃうかも・・って
思ったらさ・・
ごわいんだ・・もん・・
ふぇっ・・んぐっ・・うーっ」