香りから始まる恋はいかがですか?
・
「智史が・・・欲しい」
と。
一瞬、言葉を失った。
いや、
一瞬どころじゃない、
顔が熱くなり、多分、
耳まで真っ赤であろう。
体が一気に火照り、
興奮は収まりそうにない。
夏は心配そうに
俺を見ている。
おい、俺、
はやくなんか言ってやれ!
脳に指令を出しても
言葉が出てこず、
体だけが反応している。
ようやく・・・
俺は夏の脇を支えて、
俺のひざの上に
跨るようにして座らせ、
彼女にも、
それがわかるようにした。
「いっ・・・いいの・・か?
・・・夏、怖くないか?」
と聞くと、彼女は頷き
「智史なら・・・」と。
「あとで怖がっても
やめてやれないと思う・・ぞ?」
「うん」
「それと・・・その言葉
もう絶対、俺以外の奴に言うな」
「言わないよ。
だから・・智史も・・・
わたしだけ、でいて?」
という言葉を聞き
初めて頭の中でプチンと音がした。
理性が吹っ飛んだんだ。