香りから始まる恋はいかがですか?
それから、俺は
しばらく動けないでいた。
彼女を
押しつぶしてしまわないように
両肘で自分の体を
支えているものの
額には、
びっしょり汗をかき、
頭の中は真っ白、
息は上がったまま、
なかなか整えられない。
するとそんな表情を
下から見ていた彼女は
俺の額に手を当て、
「えへへ・・・
やっぱり嬉しかったよ。
言えてよかった・・・」と言い
額の汗をぬぐってくれた。
「そんな顔されたら
また・・・したくなる」といい
キスをして、
ようやく少し体をずらした。
彼女から体を離したくなくて
そのまま腕の中に抱きしめた。
いままで事が終われば
すぐさま女から体を離し、
タバコを吸っていた俺が、
いまは夏から、
どうにも離れられない。
彼女と
一緒に居るようになってから
気が付けば、
タバコも吸わなくなっていた。