香りから始まる恋はいかがですか?

ほらほら!そうしてると
アラームは鳴り響き、
現実に戻されていくのです。


2人で慌てて支度をし、
いつものような
十分な朝食が取れないまま
一緒に電車に乗り込み、

そこでようやく顔を見合わせて
笑ってしまいました。

すると智史は
わたしの耳元で
「昨日は、
あんなに甘い夜だったのにな」と。

わたしはびっくりして
耳までボッと赤くなったのは
言うまでもありません。

駅に着くと
久しぶりに安藤さんと顔を合わせ

「なっちゃん!おはよ、
早くうちの嫁に逢ってやってよ!

アイツ、最近、
やたら暇みたいでさ・・・。

お願いだから、相手してやって!」

と頼まれ、2週間後の週末に
安藤さん夫妻と
近くのゆっくりできるカフェで
逢う約束をしました。

智史は、傍でその会話を聞いていて
「アイツ、俺は眼中に無いのか?」と
ふて腐れておりました。
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