香りから始まる恋はいかがですか?
「今日はね、
ほら、久しぶりに
春巻がうまくできたの!
なっちゃんも一緒に食べようね!
さっさ、こっちこっち!」と
紗智は声をかけた。
俺は、
寝室で部屋着に着替えて
スマホを確認すると、
木村から何度か着信が
入ってたことに気づいた。
しかし紗智に相談する前に
それに応答することは
できないと思い、
そのままベッドの上に
スマホを放置した。
俺たち2人となっちゃんは、
遅めの夕飯を取る。
紗智と顔を合わせて
なっちゃんは、ほんの少しだけ
表情を柔らかくしたが、
やっぱり無表情、と言う言葉が
ぴったりだった。