香りから始まる恋はいかがですか?
なっちゃんは、
紗智が作ったものを
『美味しい』と言って
少しだけ食べて
片付けをしてくれていた。
きっと食欲が無いんだろう。
その間に俺は紗智に、
なっちゃんと会社近くで
逢ったときのことを
細かく話しておき、
木村に
連絡を入れるべきか聞いた。
すると紗智は、
「なっちゃんに
話を聞いてからでも
良いんじゃない?
絶対、智史さんと
何かあったのよ。
他に
気がついたことはあった?」
と聞かれ
「あっ、なっちゃんさ、
木村のこと、
智史って呼んでたよな?」
「うん、そうよ。それが?」
「木村さん、って言うんだ。
なんだか自分は、
知らない人みたい言い方
してたのは、気になった」
「そうなの!?確かに
それはおかしいよ・・ね?」