香りから始まる恋はいかがですか?
家に帰ると
やはり真っ暗な部屋は
寂しさで満ち溢れていた。
だが・・・昼間、
彼女が帰って来たのだろう。
朝、
家を出た時とは違って、
簡単に片付けがしてあり、
そのことでまた俺は
切なくなってしまった。
彼女の足跡を必死で辿ったが
何を思ってここを
片付けをしてくれたのだろう。
夏と知り合う前までは、
1人でだって何の問題なく
過ごしていたはずなのに
いまは
この家に1人でいるのが苦しい。
夏の笑い声と匂いで
満ち溢れていたこの部屋が
ガラリと
様子を変えてしまっている。
今日もきっと眠れないんだ・・
この歳で1人で
眠れなくなったなんて
子どもみたいだな・・・。