香りから始まる恋はいかがですか?
いま彼女を迎えに行きます
・
仕事を終えると
俺は、安藤と一緒に
安藤宅を目指した。
その途中で、安藤は
「今日、
お前が迎えに来ることを
紗智には話したが、
なっちゃんには伝えてない」と。
それがどういうことか
なんとなく察しはついた。
伝えれば、
彼女は逃げてしまう、
安藤はそう察したのだろう。
家を探すために1人で
不動産屋に行ったくらいだ。
彼女は、
それくらいの覚悟をしている。
でも、
それ以上の覚悟を持って
俺は迎えに行くんだ。
そう簡単には
離してやれないよ。
しかし緊張してきた。
彼女に合うのは2日ぶりだが
いままで生きてきて
こんなに緊張したことはない。
指先まで冷たくなっているのが
その証拠だ。