香りから始まる恋はいかがですか?

俺は、親子丼を一口、
口に運ぶと胸が一杯になり、

口に入れたものを飲み込むのを
忘れてしまうほど、胸が苦しくなり、

自然と涙がこぼれてきた。

すると夏はビックリして
「智史?どうしたの?
・・・泣いてる・・・よ?」

と心配そうに声をかけてきた。

俺は、ようやく飲み込み

「なんか・・・さ。
・・・良かった。

夏が戻ってきてくれて・・
良かった・・・。

こんな幸せを手放さなくて
ほんとよかった・・」

と言いながら食べた。

たぶん俺は、この親子丼の味は
一生忘れられないだろう。
< 228 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop