香りから始まる恋はいかがですか?
ふとあそこにいるのが
自分と夏の子どもだったら
どれだけ嬉しいんだろうと
具体的にイメージができた。
となりでニコニコしながら
見ている夏の耳元で
俺は
「夏、俺と結婚しよう」と囁いた
すると夏は驚き、俺を見上げ
「いっ・・・いい・・の?」と。
「もちろん。
俺は、夏以外考えられない」
というと
彼女は満面の笑みで
「はい!結婚、しましょ?」と
答えてくれた。
その瞬間、
俺はすごく嬉しくなり
彼女を抱き上げると、
安藤夫妻がこちらを見て、
「えぇ!ここで・・・?」
「ここでプロポーズなの・・・?
ムードないなー」
と口々に言った。
「あはは、ですよね・・・」
と俺は答えたが
夏は
「えへへ」と笑っていた。
それを聞いて俺も
「ふんっ!俺の嫁は、
そんなこと気にしないんだよ!」
と言い張り
「さぁ夏、そうと決まれば
指輪買いに行くぞ!」といい、
夏の手を引き、病院を後にした。
俺が幸せになれるのは、夏だけ。
あの日、
俺の香りを見つけてくれた彼女に感謝する。
------Fin------