香りから始まる恋はいかがですか?

「じゃあ・・・じゃあ!
なっちゃんが
ナンパされたの見た時は?」

「嫌だった・・・」

とここまで聞いて

安藤夫妻は、

「はぁー」
と盛大にため息をついた。

さすが夫婦、
ため息のタイミングまで一緒なんだ、

と感心していると

「判明しました。智史さん、
いままで付き合ってた人と

『恋愛』
ってしてこなかったのね」

と紗智は分析した。

「えっ?」

「付き合ってた彼女たちのこと、
すごい好きだった?愛してた?」

「たぶん好きだった・・?

愛してた、って、さっちゃん、
恥ずかしいな・・それはないよ?」

「では、相手を好きすぎて、
切なくなったり、泣きたくなったり

したことは?」

「あはは!俺、男だから
そんな経験ないよー?

さっきから、さっちゃん、
おかしな事言うねー」

「あら?男性だって、
恋愛で泣くわよ?ね?健太?」

と紗智は安藤に話を振る。

「あぁ、あるよ。俺はね」と
堂々と語る安藤。

< 49 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop