香りから始まる恋はいかがですか?

俺は、正直、
安藤が泣くような恋愛を
してきたことに驚き

「マジで?どんなだ?」

「俺のはなしは、今はいい。
お前だって、いま、
なっちゃんと再会できないで、

もう一生逢えないと
思ってるんだろ?

それを切ないっていうの!
わかったか?」

そこまで言われて
ようやく気がついた。

「ってことは・・・
俺は、夏を好きってことか?」

『正解』と安藤夫妻は
声を揃えていう。

「でもまだ出会って・・
数日だよ?」

「時間なんて、関係ないよ?
落ちるときは落ちるんだから。

その気持ち、大切にしてね。
初恋が実りますように」

と、
聖母マリアのような紗智に

「わかりました」

と素直に答える俺。

それを聞いた安藤は大笑いし、

「いまさら初恋かぁー
初々しいなぁ、お前!!」と

神々しい
雰囲気をぶち壊した。


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