あの時の恋にはさよならを、目の前の恋にはありったけの愛を。
「どっちが良いと思ってるとか、そういうことは関係ないの!敦くんに選んでもらうことに意味があるんだから。敦くんが選んでくれたらどんなものでも嬉しいの」
「……そういうものなの?」
「うん。そういうもの。だから、ちゃんと選んで」
下の方に下げていたスカートを、ハルが再び上の方に持ち上げた。
ハルをバックに二つを見比べる。数分唸り悩んだ結果、俺は左側にある白地に淡い花柄のスカートを指差した。
「こっち?」
「うん。本当にどっちも似合うと思うんだけど……強いて言うなら、こっちの方が似合うと思う」
綺麗な顔立ちのハルなら、黒いミディアム丈のスカートだってかっこよく着こなすと思う。だけど、個人的に花柄のスカートの方が好みだったし、ハルなら凄く似合うんじゃないかと思った。
「……うん!ありがとう!じゃあ、これ買う!はい!」
「うん、分かった……って、え?」
満足気に笑ったハルが、花柄のスカートを俺に押し付けてきた。
反射的にそのスカートを受け取ったけれど、この行動が表しているハルの真意って……