あの時の恋にはさよならを、目の前の恋にはありったけの愛を。
────2018年4月10日。
「ねえねえ、あっくん!これとこれ、どっちがいいかな?」
ある、快晴な春の日。
俺は、春と一緒にアウトレットパークでショッピングをしていた。
春は、黄色のカーディガンと白色のカーディガンを横に並べて俺にどちらがいいかを問いかけてきた。
正直、どちらも似合うと思うけれど……
「黄色の方が春っぽい。似合うと思う」
俺は、黄色のカーディガンを指差した。
「よーし!それじゃあこれにする!」
「春、貸して。俺が買ってくる」
「え!やったー!ありがとう!あっくん!」
春から黄色のカーディガンを受け取り、カウンターに向かう。
その途中、一人の黒髪の女性とすれ違った。白地に淡い色の花柄模様のスカートをはいた綺麗な女性。
何故か、その女性に目を引き付けられていた俺の元に春が走り寄ってきた。
「あー!ちょっと!あっくん!今、あの綺麗な女の人見てたでしょう!」