婚約者は高校生
はじまりは見合いから
会社が休みの日。
急に祖父に呼び出された俺は書斎であるものを渡され固まっていた。
「あの…お祖父様。これはなんでしょうか」
「見たらわかるだろう。何にみえる?」
きれいな白い厚紙の中にあるものなんて見なくても大体の予想はつく。
「…見合い写真ですか?」
その答えに目の前にいる祖父は満足気にうなづいた。
「そうだ。よくわかっとるじゃないか」
見合い…。
また面倒な。
俺は小さなため息とともに手にしていた見合い写真をスッと机に置いた。
「…私は結婚するつもりはありませんので。では失礼します」
立ち去ろうと背を向けると後ろから声がかかる。
「写真も見ないうちからそんなことを言うのか?」
「見ても見なくても同じです。結婚するつもりはありませんから」
そう言い残して俺は書斎を後にした。
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