婚約者は高校生
地味な格好をしてはいたが、素顔の彼女は綺麗な顔をしていたし、なにより脚が良い。
地味な格好をしているためにそれが気付かれることがないのだろう。
…俺も気づかなかったしな。
地味な格好をする理由の見当はすぐつくが…そんなこと、彼女と付き合うつもりもない俺には関係ない。
太ももからの脚線美を見られなかったことは残念だが、な。
それよりもここへ来た本来の目的を果たさなくては。
「会長にこれを頼まれた」
持ってきた封筒を手渡すと彼女は不思議そうな顔をしながらそれを受け取った。
封筒をのぞいて中身を確認すると俺をちらりと見上げてくる。
「あの、中身見ましたか?」
「人のものを勝手に見るわけないだろ。それとも見てほしかったのか?」
「いえ、そういうわけではないです。ただ…」
彼女は思案するように口元に手を当てた。