婚約者は高校生
好みの脚をようやく見つけ、そしてその脚は手の届く位置にある。
彼女に本当に好きな相手ができた場合は手放さざるを得ないだろうが、仮にとはいえ婚約者になれば一定期間誰のものにもならない。
理想の脚が俺のものになる。
それは確かに魅力的なんだが…
「俺のメリットになるものを見つけたとしたら…どんなことでもしてくれるのか?」
多分俺は愛でるだけでは我慢できない。
それでもいいのか?
逃げ出すなら今のうちだぞ。
突き放すような鋭い視線を向けてみるものの、彼女の瞳は揺るがない。
思ったよりも決意は固いらしい。
「私に出来る範囲だったらします」
なるほど。
出来る範囲、ときたか。まあいいだろう。
「わかった。2週間時間をやろう。それまでに俺のメリットになるものを見つけられたら、婚約者になってもいい」
そう言うと、彼女の顔が安堵したように緩んだ。