婚約者は高校生
いいだろう。仮の婚約者として認めてやろう。
「…わかった。条件はそれでいい。仮の婚約者になってやろう」
その言葉に反応するように彼女はパッと顔を上げると心底嬉しそうに微笑んだ。
おお…。
そんな顔を見るのは初めてだな。
俺に対していつも淡々としていて、特に表情が変わることなどなかったのに。
ついじっと見ると彼女はすぐに表情を引き締め、笑顔を消した。
「ありがとうございます。では、これからよろしくお願いします」
「ああ」
約束の二週間を待たずして条件を満たすとはなかなか優秀じゃないか。
俺の睡眠を守るためにいったいどんなことをしてくれるのだろうか。
これからが楽しみだ。
よろしくな、婚約者さん。