ボトルメール
まんまとキミに乗せられた俺はバカなのかもしれない。
キミの親は大反対だった。そりゃあ、そうだ。通学時間二時間なんて遠いどころではない。
でもキミは押し切った。俺を巻き沿いにして。
実際、青春のへったくれも無かった。
キミの言ってた江ノ電通学。
校内約300人の生徒プラス、他の学校の生徒が一気にあの3両に収容されるのだ。
青春どころか海すら見えない。
冬は晴れの日が多いけど、夏なんて最悪。
台風だの、強風だのですぐに自宅待機になるわ、規制が解除され、学校に登校することになっても、俺はまず市が違うから、警報なんか時差が出て解除されない。おまけに電車は止まってる。
これだけでキミの青春は半減されるだろ?
まだあるぞ。
キミの憧れてた毎年恒例の浜辺のマラソン。
数人でやるのは絵になるけど全校生徒が一気にに走るから、それはもう絵になんかなりゃしない。
前方、後方、左右、全部人。
砂浜なんて人で埋め尽くされる。
それでも青春か?