Brave Princess



その時


「ラーニャ様!?」


「ミルロン。」



大きなため息をつき、呆れた顔で私を見る。


「こんなところで何してるんですかね。何時間探し回ったと思ってるんですか!!」


「ごめんごめん!」



ミルロンが私の手に視線を落とし、驚いた表情で私を見た。


「ラーニャ様!どうしたんですかその手!!!血が!!!」



え?

うわぁ。本当。よほどソフィアのことを思い出して感極まっていたのか、手を強く握りしめ過ぎて爪が刺さっていたみたい。

手のひらが真っ赤になっている。

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