ねぇ。
第一章
『別れよ』







寝っころがりながらユウに言ってみる







『え、やだ。なんで?』




『…なんでも』








電話で別れ話なんて始めてだ




『他に好きなやつが出来たの?』




『そんなんじゃないよ』




『じゃあ、嫌いになった?』




『ううん』








実を言うとほんとは、












ユウの事は好きじゃない。




『別、好きな人が出来たわけでもないし、嫌いになったわけでもないよ』









すらすらと言葉が出てくるのは今日、
別れ話のシミュレーションしてたおかげ。





『ただ、年の差っていうのもあるしさ』





『それは俺がどうにかするって言った』












『あたしは…



つらい』











あとはなんて言ったかは、覚えてないなぁ







ただ、








『ずっと待ってるから』








って、ユウの真剣な声が聞こえただけ。










考えてあげてもいーよ







とか、心の中で言って








電話切って、速攻友達に報告








『ウケる』『それな』







しか使わない電話










ウケる。

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