魅惑な彼の策略にはまりました






……ま、予感っていうのは不確実な要素を含んでいる。
だから私は、結果には納得している。


バーで少し酔っぱらって、そのままホテルに行き、愛を交わした。

交わすっていうほど、魅惑的な時間じゃなかったのは、たぶん私的に不満足だったから。
優しい顔して、前戯は手抜き、場所も安いラブホテル。勝手に動いて終わられてしまった。

なんじゃこりゃ。

あれ?こういうものだっけ?
恋のはじまりって。

シャワーをざばざば浴びている中根さんが、不用心にも投げ出した鞄の中にはスマホのディスプレイが私に見える角度で突っ込まれてある。

あ、ショートメールだ。表示されてるのが見えちゃうよ。


『今夜は何時くらいになりそう?明日、るーちゃんの幼稚園のお迎えお願いしたいんだけど』


メッセージを見て、うげっという顔になってしまう。

おおう。嫁、発見。
子も発見。


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