クレーマー
辞める
それから果歩は教室へは戻ってこなかった。
いつの間にか果歩の鞄はなくなっていて「体調が悪くなって早退した」と、先生は言っていた。
そのまま何事もなく放課後になり、帰ろうとした時だった。
「知世、今日コンビニに寄って行かない?」
と、花梨が誘って来たのだ。
一瞬『そんな暇はない』と断ろうかと思ったけれど、コンビニなら帰りの道筋にもある。
それに今日の昼間の事を思い出して、一緒に帰ることに決めた。
花梨は気まずさからか他愛のない会話を続けていたが、校門から出た時不意に顔を伏せた。
「どうしたの?」
「なんだか、知世と明彦が別れた事がまだ信じられなくて」
言いにくそうに、だけどしっかりとそう言った花梨。
でもきっとそれだけじゃないんだろう。
別れた理由も花梨は納得できていないんだ。
「あたし、気が付いた時には明彦と京一郎を比べるようにして見ていたの」
2人で歩きながらあたしはゆっくりと話始めた。
なるべくそれらしく、恋愛が大好きな花梨が興味を引くように説明をする。
「好きな人と誰かを比べることなら、あたしもあるよ」
さっそく花梨はそう言って来た。
いつの間にか果歩の鞄はなくなっていて「体調が悪くなって早退した」と、先生は言っていた。
そのまま何事もなく放課後になり、帰ろうとした時だった。
「知世、今日コンビニに寄って行かない?」
と、花梨が誘って来たのだ。
一瞬『そんな暇はない』と断ろうかと思ったけれど、コンビニなら帰りの道筋にもある。
それに今日の昼間の事を思い出して、一緒に帰ることに決めた。
花梨は気まずさからか他愛のない会話を続けていたが、校門から出た時不意に顔を伏せた。
「どうしたの?」
「なんだか、知世と明彦が別れた事がまだ信じられなくて」
言いにくそうに、だけどしっかりとそう言った花梨。
でもきっとそれだけじゃないんだろう。
別れた理由も花梨は納得できていないんだ。
「あたし、気が付いた時には明彦と京一郎を比べるようにして見ていたの」
2人で歩きながらあたしはゆっくりと話始めた。
なるべくそれらしく、恋愛が大好きな花梨が興味を引くように説明をする。
「好きな人と誰かを比べることなら、あたしもあるよ」
さっそく花梨はそう言って来た。