クレーマー
視線
いつも通り学校へ行き教室へ入ると、どこか違和感を覚えた。
見慣れた教室なのに知らない教室へ入ってしまったような、妙な感覚。
それはみんなの視線が自分に集まっているからだと、自分の席に鞄を置いた時に気が付いた。
ためしにクラスメートへ向けて「おはよう」と声をかけてみるけれど、みんな一斉にあたしから視線をそらせた。
中には教室の隅でコソコソと何か話している子たちもいる。
その態度にあたしはハッとする。
まさか、果歩があの後あたしがやった事を全部バラしたんじゃ……?
そう思ったとき、花梨があたしのところへ走ってやってきた。
「知世!」
「花梨、おはよう」
「『おはよう』じゃないよ。明彦が知世に振られた事をいろんな所で相談してて、知世が悪者みたいな噂になってるんだから!!」
早口でそう言う花梨に、あたしは笑みを消した。
すぐに教室内を見回して明彦の姿を探すけれど、どこにもいない。
「明彦、たぶんトイレだと思う。さっきまで教室にいたんだけど……」
見慣れた教室なのに知らない教室へ入ってしまったような、妙な感覚。
それはみんなの視線が自分に集まっているからだと、自分の席に鞄を置いた時に気が付いた。
ためしにクラスメートへ向けて「おはよう」と声をかけてみるけれど、みんな一斉にあたしから視線をそらせた。
中には教室の隅でコソコソと何か話している子たちもいる。
その態度にあたしはハッとする。
まさか、果歩があの後あたしがやった事を全部バラしたんじゃ……?
そう思ったとき、花梨があたしのところへ走ってやってきた。
「知世!」
「花梨、おはよう」
「『おはよう』じゃないよ。明彦が知世に振られた事をいろんな所で相談してて、知世が悪者みたいな噂になってるんだから!!」
早口でそう言う花梨に、あたしは笑みを消した。
すぐに教室内を見回して明彦の姿を探すけれど、どこにもいない。
「明彦、たぶんトイレだと思う。さっきまで教室にいたんだけど……」