クレーマー
☆☆☆
すでにホームルームが始まっている時間になっていたけれど、あたしと明彦は屋上へ来ていた。
ついこの前ここで果歩をいじめたことを思い出す。
「話って……?」
「あたしを悪者に仕立て上げたでしょ」
明彦を睨み付けながらそう言う。
「仕立て上げたなんて……! 知世がいきなり別れ話を切り出すからだろ!?」
「説明したって明彦はどうせ納得してくれないでしょ? もう好きじゃないんだから、どうしようもないじゃん!!」
怒鳴り返すと、明彦は目を見開いてあたしを見た。
明彦はあたしのこんな姿を知らない。
「知世……本当に、俺のこともう好きじゃないのか……?」
明彦の声が弱弱しくなる。
「あたし、京一郎の事が好きになった」
ハッキリとそう言うと、明彦は「うそだろ……?」と、視線を空中へと泳がせた。
「本当だよ。あたし今京一郎の事が好き」
「でも、あいつにはこの美がいるし」
「そんなの関係ない。彼女がいても、好きな気持ちは止められないでしょ?」
昔、あたしと明彦がそうだったように。
すでにホームルームが始まっている時間になっていたけれど、あたしと明彦は屋上へ来ていた。
ついこの前ここで果歩をいじめたことを思い出す。
「話って……?」
「あたしを悪者に仕立て上げたでしょ」
明彦を睨み付けながらそう言う。
「仕立て上げたなんて……! 知世がいきなり別れ話を切り出すからだろ!?」
「説明したって明彦はどうせ納得してくれないでしょ? もう好きじゃないんだから、どうしようもないじゃん!!」
怒鳴り返すと、明彦は目を見開いてあたしを見た。
明彦はあたしのこんな姿を知らない。
「知世……本当に、俺のこともう好きじゃないのか……?」
明彦の声が弱弱しくなる。
「あたし、京一郎の事が好きになった」
ハッキリとそう言うと、明彦は「うそだろ……?」と、視線を空中へと泳がせた。
「本当だよ。あたし今京一郎の事が好き」
「でも、あいつにはこの美がいるし」
「そんなの関係ない。彼女がいても、好きな気持ちは止められないでしょ?」
昔、あたしと明彦がそうだったように。