クレーマー
☆☆☆

上機嫌のまま家に帰ると専業主婦のお母さんが昼食の準備を始めようとしている所だった。


「あ、お母さん待って。今日はお惣菜を買って来たの」


そう言い、先ほどコンビニで買った肉まんやコロッケを飯台の上に並べた。


こうしてみると結構な量を買っていたことがわかる。


これだけ注文されれば、ベテラン店員だって焦るかもしれない。


「まぁ、こんなに食べ物を買って来たの？　ご飯もちゃんと炊いてるのに！」


そう言うお母さんに、あたしは今日の数学のテスト用紙を見せた。


その点数にお母さんは目を見開き、そして「すごいじゃない！」と、ほほ笑んだ。


「つい、嬉しくなっていっぱい買っちゃったの」


「そうだったのね。お母さんビックリしちゃったじゃない。食べたいものを沢山食べて、次のテストに備えないとね」


「そうだね」


あたしはお母さんの反応に満足して、ほほ笑んだのだった。
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