クレーマー
☆☆☆

せっかく、ずっと欲しかったものが出に入ったのに気分は最低なものに変わった。


誰だかわからないが、今朝あたしにぶつかってきたのと同じ自転車だったことは確かだ。


自転車が同と言う事は乗っていたのもきっと同じ女だったんだろう。


思い出すとハラワタが煮えくり返りそうになる。


印刷したノートを科目ごとにホチキスで止めてわけながら、あたしはパソコンの電源を入れた。


そしていつものサイトに接続をして、さっそく書き込みをする。


《クレーマー；今日は朝から最低な日！


登校途中自転車にぶつかられるし、帰りには同じ自転車に乗った人に『クソ女』って罵声を浴びせられた！！》


そう書き込みをして、部屋の中をグルグルと回る。


あの自転車の持ち主は一体なのか知りたい。


だけど、自転車には前のように学校名が書かれていなかった。


《ユキ；大丈夫？　ひどいヤツがいるんだね！》


《サトー；もしかして、クレーマーちゃんに仕返ししているヤツがいたりして？》


サトーと名乗る人物の書き込みにあたしは一瞬思考回路が停止した。


あたしに仕返し……？


一瞬にして果歩の顔が浮かんできた。


あたしが一番苛めているのは果歩だ。
< 151 / 187 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop