クレーマー
☆☆☆
一階の端にある保険室はまだ真っ暗だった。
先生もいないようだが、ドアの鍵は開いていた。
「勝手に失礼します」
花梨がそう言いながら保健室へと足を踏み入れた。
あたしも花梨の後に続いて保健室へ入ったがすぐに違和感を覚えた。
3つあるベッドの内、壁際のベッドだけカーテンが引かれている。
先生もいないのに勝手に使っているのだろうか?
そう思って様子を見ていると、カーテンの向こう側から人の声が聞こえてくることに気が付いた。
相手はあたしと花梨が保健室へ入ってきたことに気が付いていないようで「鍵かけた?」「あ~どうだっけ?」なんて言っている。
その声の1つには聞き覚えがあり、あたしは花梨を見た。
「花梨、出よう」
「え? ちょっと待って消毒液が……」
「いいから」
ベッドに人が……おそらく1人は京一郎がいる事に気が付いていない花梨の手を握り、ドアへと向かう。
「鍵くらい確認してきてよ」
ベッドの方から女の声が聞こえてきて、花梨は不思議そうな表情を浮かべて立ち止まった。
一階の端にある保険室はまだ真っ暗だった。
先生もいないようだが、ドアの鍵は開いていた。
「勝手に失礼します」
花梨がそう言いながら保健室へと足を踏み入れた。
あたしも花梨の後に続いて保健室へ入ったがすぐに違和感を覚えた。
3つあるベッドの内、壁際のベッドだけカーテンが引かれている。
先生もいないのに勝手に使っているのだろうか?
そう思って様子を見ていると、カーテンの向こう側から人の声が聞こえてくることに気が付いた。
相手はあたしと花梨が保健室へ入ってきたことに気が付いていないようで「鍵かけた?」「あ~どうだっけ?」なんて言っている。
その声の1つには聞き覚えがあり、あたしは花梨を見た。
「花梨、出よう」
「え? ちょっと待って消毒液が……」
「いいから」
ベッドに人が……おそらく1人は京一郎がいる事に気が付いていない花梨の手を握り、ドアへと向かう。
「鍵くらい確認してきてよ」
ベッドの方から女の声が聞こえてきて、花梨は不思議そうな表情を浮かべて立ち止まった。