クレーマー
その力を補うように、あたしはスマホを開いた。


勉強中は電源を切っているけれど、今だけ電源を入れる。


そして、いつも利用しているサイトを開いた。


黒っぽい背景に白い文字で『ストレス発散サイト』と書かれている。


サイトの中はいろんな人が自由にスレッドを立てれるようになっていて、ストレスを発散するために好きな事を書き込んでいるのだ。


内容は主に誰かの悪口や、批判的な意見で埋め尽くされている。


あたしがこのサイトを見つけたのは半年ほど前の事で、それ以来常連となって色々な愚痴を書き込んでいた。


〈マジ、うちの親ぬるいんだけど〉


クレーマーというハンドルネームでたったそれだけの文字を投稿する。


クレーマーという名前に反応してあっという間にスレッドに返信があった。


〈マサ;こんばんは、クレーマー! 今日はなにがあったの?〉


〈ルル(-.-);どうしたの?〉


〈マイヤ;なになに? 今度はなにがあのか聞かせてぇ!!〉


好奇心満載のコメントにあたしは笑う。


人の愚痴や不幸話が大好きなハイエナたちは一瞬して100人を超えた。


ここではあたしはアイドル的な存在なのだ。
< 23 / 187 >

この作品をシェア

pagetop