クレーマー
割り込み
1人でぼんやりとベンチに座っていると、明日のテスト返却の事を考えてしまっていた。


テストの手ごたえは十分にあった。


勉強したところが丸々出題されていたし、答えに詰まるような箇所はなかった。


でも、1つだけ心配な部分もあったのだ。


科学の先生は必ず引っかけ問題を出すと言う事で有名だった。


過去問題でも引っかけ問題が出されれていたため、あたしはそのつもりで試験に臨んでいた。


しかし、この前のテストでは引っかけだと思える部分がなかったのだ。


問題用紙を何度も読み直してみても、どこにも引っかけ問題がなかった。


毎年引っかけ問題を作っているから、今回はあえて引っかけ問題を作らなかっただけかもしれない。


そう思い、軽く頭を振る。


仮に引っかけ問題に気が付いていなくてそこを落としていたとしても、十分に点数は取れているはずだ。


心配することはなにもない。


そう思い直し、ソフトクリームの列を見る。


さっきより少しは前に進んだようだけれど、あまり変わっていない。


これだけ並ぶのだから、きっととても美味しいんだろう。
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