クレーマー
「土下座だろうが!! 割り込みでどれだけ待たされたと思ってんだよ!!」
あたしは更にお店の壁を思いっきり蹴とばした。
元々プレハブのようなもので作られているようで、ソフトクリームのイラスト部分が少し歪んだ。
店員はしどろもどろになりながらも店から出てきて、コンクリートの上に膝をついた。
まだ若く、謝ることに慣れていない様子で列のお客さんに助けの視線を投げかけている。
しかし、客たちは何も言わず、列から逃げるようにしていなくなる人もいた。
「も……申し訳ございませんでした……」
誰も助けてくれる人はいないと気がついた店員は、そう言って頭を下げる。
あたしはその頭を掴みコンクリートにくっつくくらいに下げさせた。
店員の横顔が引きつっているのが見えて、思わず笑い声を漏らしてしまった。
しばらくそのままの体勢で店員の顔を拝んだあたしは、満足して手を離した。
あまり長時間やりすぎると周囲の客たちが騒ぎ始めるので、すぐにその場を後にした。
明彦が待っているお土産物屋へと戻ると、明彦はすでに何個かお土産を手に持っている状態だった。
「知世。この耳かき可愛いだろ」
あたしに気が付いた明彦が耳かきを2つ手に持ってそう言って来た。
耳かきの頭の部分に小さなホワイトタイガーがくっつけられている。
それを見て一瞬明彦に言われた言葉を思い出す。
あたしは更にお店の壁を思いっきり蹴とばした。
元々プレハブのようなもので作られているようで、ソフトクリームのイラスト部分が少し歪んだ。
店員はしどろもどろになりながらも店から出てきて、コンクリートの上に膝をついた。
まだ若く、謝ることに慣れていない様子で列のお客さんに助けの視線を投げかけている。
しかし、客たちは何も言わず、列から逃げるようにしていなくなる人もいた。
「も……申し訳ございませんでした……」
誰も助けてくれる人はいないと気がついた店員は、そう言って頭を下げる。
あたしはその頭を掴みコンクリートにくっつくくらいに下げさせた。
店員の横顔が引きつっているのが見えて、思わず笑い声を漏らしてしまった。
しばらくそのままの体勢で店員の顔を拝んだあたしは、満足して手を離した。
あまり長時間やりすぎると周囲の客たちが騒ぎ始めるので、すぐにその場を後にした。
明彦が待っているお土産物屋へと戻ると、明彦はすでに何個かお土産を手に持っている状態だった。
「知世。この耳かき可愛いだろ」
あたしに気が付いた明彦が耳かきを2つ手に持ってそう言って来た。
耳かきの頭の部分に小さなホワイトタイガーがくっつけられている。
それを見て一瞬明彦に言われた言葉を思い出す。