クレーマー
☆☆☆
忘れてた。
このクラスの中にあたしの本性を知っている人間が1人だけいる事を。
昼休みになり、あたしは花梨の誘いを断って屋上へと上がってきていた。
空は嫌味なほど晴れ辺り、それだけで気分はイライラして来る。
頭の中にはこの美の顔と、自分のテスト順位ばかりがグルグルと回っていた。
テスト返却の後通常授業なので帰るわけにも、途中で抜け出してストレス発散することもできずにどうしようかと思っていた所だった。
景色を見ていると、屋上のドアが開いて果歩が姿を見せた。
果歩はすでにあたしに怯えていて、身を縮めるようにして歩いてくる。
「ここで会うのは久しぶりだねぇ」
あたしは果歩へ向けてそう声をかけた。
平凡なその言葉にさえ、果歩はビクッと身を震わせる。
果歩はあたしの忠実なしもべのようなものだった。
最初は、果歩の暗い性格や外見だけで関わるつもりなんてなかった。
だけどある日、あたしは見てしまったのだ。
私服姿の果歩が公園の茂みで野良猫のシッポを切断している所を。
忘れてた。
このクラスの中にあたしの本性を知っている人間が1人だけいる事を。
昼休みになり、あたしは花梨の誘いを断って屋上へと上がってきていた。
空は嫌味なほど晴れ辺り、それだけで気分はイライラして来る。
頭の中にはこの美の顔と、自分のテスト順位ばかりがグルグルと回っていた。
テスト返却の後通常授業なので帰るわけにも、途中で抜け出してストレス発散することもできずにどうしようかと思っていた所だった。
景色を見ていると、屋上のドアが開いて果歩が姿を見せた。
果歩はすでにあたしに怯えていて、身を縮めるようにして歩いてくる。
「ここで会うのは久しぶりだねぇ」
あたしは果歩へ向けてそう声をかけた。
平凡なその言葉にさえ、果歩はビクッと身を震わせる。
果歩はあたしの忠実なしもべのようなものだった。
最初は、果歩の暗い性格や外見だけで関わるつもりなんてなかった。
だけどある日、あたしは見てしまったのだ。
私服姿の果歩が公園の茂みで野良猫のシッポを切断している所を。