クレーマー
特定
強引に明彦に別れを告げたあたしは、小走りに家まで帰ってきていた。
また明彦に呼び止められると面倒な事になると思ったから、半分は逃げて来たのだ。
「ただいま」
玄関を開けてそう言うと、リビングから「おかえりー」と、能天気そうなお母さんの声が返って来る。
あたしは鞄から今日返却されたテストを取り出すと、それを握りしめてリビングへと向かった。
リビングのテレビでは洋画が映し出されていて、ソファに座っているお母さんは見入ってしまっている。
「お母さん、これ、テスト結果」
「あら、そう」
あたしの方を見ずに返事をする。
あたしはテーブルの上にテストを置いて、すぐに自室へと向かった。
そしてパソコンを開く。
自転車の女の子の事を書き込んで以降掲示板を確認していなかったので、ずっと気になっていたのだ。
「あ、返事が来てる……」
表示された書き込みを目で追っていくと、気になる文章があった。
《ミカン;クレーマーちゃんが探している子、特定したかも》
見知らぬハンドルネーム、ミカンの書き込みには写真も一緒に張り付けられていた。
また明彦に呼び止められると面倒な事になると思ったから、半分は逃げて来たのだ。
「ただいま」
玄関を開けてそう言うと、リビングから「おかえりー」と、能天気そうなお母さんの声が返って来る。
あたしは鞄から今日返却されたテストを取り出すと、それを握りしめてリビングへと向かった。
リビングのテレビでは洋画が映し出されていて、ソファに座っているお母さんは見入ってしまっている。
「お母さん、これ、テスト結果」
「あら、そう」
あたしの方を見ずに返事をする。
あたしはテーブルの上にテストを置いて、すぐに自室へと向かった。
そしてパソコンを開く。
自転車の女の子の事を書き込んで以降掲示板を確認していなかったので、ずっと気になっていたのだ。
「あ、返事が来てる……」
表示された書き込みを目で追っていくと、気になる文章があった。
《ミカン;クレーマーちゃんが探している子、特定したかも》
見知らぬハンドルネーム、ミカンの書き込みには写真も一緒に張り付けられていた。