クレーマー
あの高校のクラス写真だ。


あたしは画面に食い入るようにして写真を見つめる。


しかし、写っている顔が小さい上、相手の顔も一瞬見ただけだから誰が誰だか全くわからない。


《ミカン；たぶん、一番後ろの右3人じゃないかな？　いつも仲良くて一緒に行動してる派手軍団だよ》


その文字を確認し、再び写真を見る。


そう言われればこの子たちのような気がする。


人に聞こえるようにバカみたいな会話をしていたことを思い出すと、派手系な女の子の方がしっくりくる。


《クレーマー；ミカンさん、確かにこの子たちです！　他に情報はありませんか？》


そう書き込むと、サイトを経由したダイレクトメールがパソコンに届いた。


すぐ確認するとそれはミカンからの返信で、女の子たちの本名やクラスが書かれているものだった。


あたしはそれを手早く印刷し、パソコンを閉じた。


正直、この子たちであっているという保証はどこにもない。


だけど、あたしにとってはクレームを入れる対象が増えただけだ。


「また今度十分に楽しませてもらわなくちゃね」


印刷した名前を見つめてあたしはそう呟いたのだった。
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