クレーマー
ストレス発散
この美と京一郎を敵視しているのはあたしだけだ。


そんな事はわかっていた。


明彦は誰とも争わない性格をしている。


だからこそ競争心がなくなり、テストでもスポーツでも京一郎に負けてしまうんだ。


あたしはそれが嫌だった。


自分の好きな人には、誰よりもカッコよくいほしい。


2番手や3番手で、京一郎の引き立て役になんてならないでほしい。


そう思いながら、大股で歩いていると前方にバルーンが上っているが見えた。


ピンク色のバルーンの下には『新店舗オープン』の垂れ幕が付けられている。


「新店舗?」


あたしは首をかしげた。


この辺で何か新しいお店ができるんだっけ?


首をかしげながらも、あたしはそのバルーンに引き寄せられるように足を向けたのだった。
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