鈍感プリンセス
誰かが俺を責める声が聞こえる。


「はーい、俺でーす」


俺は正直に手を挙げて言った。


「はいはい責めない責めない。

蒼山集中しろよー」


渡辺先生の声が聞こえる。


「うぃーす」


そう返事をしたら後ろにいた将暉が話しかけてきた。


「お前さっきから全然集中してねぇだろ」


そうだっけ?


「え?そうか?」


ぽかんとして将暉に聞く。


「無意識かよ。お前無意識に瑞葵ちゃんのこと

考えてるよね。」


「…は?」


くそっ。何でも将暉にはお見通しかよ。
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