わたしの朝
願いごと
部屋はカランとしていた。
吐き気と目眩が同時に襲ってくる。
この頃じゃ、手の動きも上手くいかない。
自分に腹が立つ。
今日こそ別れよう。
そう何度も思った。
彼をこれ以上、私の儚い人生に付き合わせてはいけない。
そう何度も思った。
それでも、そんな時決まって頭に浮かぶのは、
「気にするな、大丈夫。安心しろ。な?」
と言いながら、頭を撫でてくれる優しい彼だった。
けんかをしたこともある。
怒らせて怖い思いをしたこともある。
それでも、いつも心には静かに微笑む彼が寄り添っていた。
「明日も彼が笑顔で幸せと言えますように」
泣きながら夜空に願った。
胸がキリキリと痛む。
でも、彼の傍にいられればそれで十分だった。
かつて、愛する王子様と踊るため、声を犠牲にし、足の激痛に耐えた人魚姫のように。
これも、わがままだろうか。
とにもかくにも、私は彼を含め人の意見に思考や感情を左右されすぎ、彼は一度機嫌を損ねたら一晩時間がかかる。
お互いの特徴といえばそれまでだが、2人に成長が必要なのも確かだった。
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