野良猫は膝の上で眠る
「ねぇはるどこいくの?」
はるが朝ごはんを食べているのを向かいから見つめる。
「それなんだけど、すず歩けないんじゃん。
でも服とか下着とかいるでしょ?」
うっ忘れてた。
「それで考えたんだけど、抱っこのままショッピングセンター歩き回るのと、俺が選んだ服きるのどっちがいい?」
私を抱えて歩き回らせるのは申し訳ない。何より恥ずかしすぎる。
「俺はずっと抱っこしてても平気だしむしろ大歓迎だよ。」
ニコッと笑って言うけど、絶対に無理。
それだったらはるの選んだ服でいい。
はるの猫だし。
「はるの選んだ服きる。」
「それも悪くないか。じゃあ留守番できる?」
寂しいな。なんて言えるはずもなく。
「うん。いってらっしゃい。」
「行ってきます。いいこにしててね。
そーだ、すずって漢字でどうかくの?」
「里中 鈴だよ。でもなんで?」
「知ってたほうがいいかな?と思っただけ。」
頭をポンポンされて、それもそうかと納得した。